いま、テレビ業界は「配信ファースト」へ――変化の波に乗るなら今

近年、テレビ業界を取り巻く環境は劇的に変化しています。2024年に総務省が発表した**「令和6年版情報通信白書」**によれば、10代〜20代を中心とした若年層のメディア接触の中心は、もはや「テレビ」ではなく「ネット(動画配信やSNS)」です。

たとえば、2023年時点でのメディア平均利用時間では、10代のインターネット利用時間は1日平均約4時間超、一方でテレビ(リアルタイム+録画)は2時間未満という状況になっています。これは5年前と比べて、さらにテレビ離れが進行していることを意味しています。

しかし一方で、だからこそテレビ業界は変革を加速させています。

テレビ局は「配信ファースト」へ

地上波各局は、テレビというハードウェアに依存しない視聴スタイルへの移行を本格化させています。

  • TVerは2022年以降、「リアルタイム同時配信」を全局が導入し、若年層の“ながら視聴”を取り込んでいます。
  • 日本テレビは自社のYouTubeチャンネルに力を入れ、地上波とは異なる切り口のコンテンツ制作も積極化。
  • WOWOWやNHKプラスなどもアプリベースのサービス展開を強化し、もはや“テレビがなくても見られる”が当たり前に。

また、テレビ局制作のコンテンツがNetflixやAmazon Prime Videoに並ぶ形で配信されるケースも増えており、「放送」と「配信」の境界は急速に曖昧になっています。

テレビ業界への転職を目指すなら?

こうした背景から、テレビ業界が求める人材像も変化しています。かつての「放送だけを知っている人材」ではなく、SNSや配信メディアにも理解があり、デジタル視点で企画・編集ができる人が重宝されるようになっています。

たとえばこんな経験やスキルが強みになります:

  • YouTubeやTikTok等での動画制作経験(趣味レベルでもOK)
  • SNSを活用したプロモーション企画やバズの仕組みに詳しい
  • 動画編集スキル(Premiere ProやAfter Effectsなど)
  • Webマーケティングやデータ分析に興味がある

現場では、番組と連動したSNS企画、TVerやYouTube向けの再編集、若年層向けの動画フォーマット設計など、従来の放送とは異なる「コンテンツの出し方」を考える仕事がどんどん増えています。

最後に

テレビは決して「オワコン」ではありません。むしろ、配信という新たなフィールドを得て、第二の進化のフェーズに入っているといえます。この波に乗って、デジタル感覚を持った新しい世代がテレビ業界に入ってくることは、業界にとっても希望です。

これからテレビ業界への転職を目指す方には、「放送」だけではなく、「配信」「SNS」「動画編集」「マーケティング」など、周辺スキルを磨くことが大きな武器になるでしょう。