Z世代

先日Z世代の若者とお話をする機会がありました。Z世代というのは、1990年代半ばから2010年代前半までに生まれた世代で、生まれたときからデジタルの生活が当たり前だったこともあって、デジタルネイティブ世代ともいわれています。

彼らは今後、日本の様々な消費行動のターゲットになっていきますので、すべての産業にかかわる人たちはZ世代の動向をめちゃくちゃ気にしています。もちろんメディアのオジサンたちも同様です。

若者と話をしていて興味深かったのは、「テレビ番組意外と面白いじゃん」というものでした。その人は、これまで「テレビってオワコンでしょ?面白くないもん。だから観ません」と言っていたのですが、進学で今までと違うお友だちとお話をするようになって、お友だちとのSNSについていけなくなるから観てみたら、面白かったというのです。

ただX世代(1960年代半ばから1980年代前半に生まれた世代)までとは全く、Y世代(ミレニアム世代、1980年代前半から1990年代半ばくらいに生まれた世代)とも少し観かたが違うようです。

Z世代の彼らの話を総合すると、

「観なきゃいけないものがたくさんあるから時間配分が大切」

「可処分(動画視聴に使える)時間がもったいないから倍速で観る」

「様々なメディアに接触する必要があるから、時間がもったいない」

ということのようです。

つまり、「コンテンツを観る」というより「コンテンツを消費したという体験」が大切なことのようです。それまでの世代が大切にしてきた「鑑賞」から「消費」へ変化しつつあるようです。

それは「1.5倍速や倍速でコンテンツを観るのが普通」で、「(ドラマなら)推しが出ている場面だけちゃんと観られたらいい」ということにもつながります。

TVerにも1.75倍速までの早送り機能がありますね。

そうなってくると、地上波テレビの常とう手段になっているCMまたぎで引っ張るというフォーマットは通用しなくなってきますよね。

彼らはY世代と同じく「動画配信サイトで、スマートフォンを使って観る」そうです。また「予想していないような展開はいらないからネタバレやあらすじを提供するサイトは便利」という意見もありました。つまりコンテンツの作り方は同じでも、その演出方法が変わってきますね。

伏線回収をどう作りこんでいくのか、ということが今後のコンテンツ制作では重要になるのかもしれません。映画「イニシエーション・ラブ」のような2つの話が同時に展開しているということもあるでしょうが、すでに使われてしまっていますし、この手法はドラマ「相棒」でも時々使われています。

Z世代によってメディアはどのように変わっていくのか、私たちは今試されているのかもしれませんね。